YouTubeのオートダビング版とは？機能とは？ 内容がめちゃくちゃな理由とは

YouTubeの「オートダビング版」とは、AI（人工知能）を利用して、動画の音声を自動的に他の言語に翻訳し、吹き替え版（音声トラック）を生成する機能のことです。

これにより、視聴者は普段使っている言語の音声で海外の動画を楽しむことができます。

逆に言えば、AIの翻訳機能がおかしければ、その内容はかなりめちゃくちゃな内容となってしまいます。何を言っているのかなんとなくは伝わるものの、正確でははないので注意が必要です。

ですから、ある程度知識のある分野についてオートダビング版の内容を確認することはありだと思いますが、全く知らない分野のオートダビング版の動画を視聴すると非常に間違った情報を手に入れてしまうことになります。

オートダビング版で使われているAIは？

最初にお話したように、YouTubeの「オートダビング版」とはAI（人工知能）を利用して、動画の音声を自動的に他の言語に翻訳し、吹き替え版（音声トラック）を生成する機能です。そのため、海外の別の言語で話されている動画を、あなたが普段使っている言語（当サイトの訪問者であれば日本語）に自動翻訳されて作られた動画です。

この際に使われているAIは信頼できるものなのでしょうか？

AI吹き替えサービス「Aloud」を利用。信頼性は？

YouTubeのAI吹き替えサービス「Aloud」の信頼性については、いくつかの側面から考える必要があります。結論から言うと、「Googleが提供する公式の信頼できる技術ですが、まだ発展途上であり、完璧ではありません」です。

信頼できる点

Googleの公式サービスであること

AloudはGoogleの社内インキュベーター「Area 120」から生まれたプロジェクトであり、現在はYouTubeが公式に統合を進めているサービスです。Googleの持つ膨大な言語データとAI技術（音声認識、機械翻訳、音声合成）が基盤となっており、技術的な背景は非常に強固です。

クリエイターに選択肢を提供していること

Aloudは完全に自動で公開されるわけではありません。AIが生成した翻訳のテキストと吹き替え音声を、クリエイター自身が確認・修正できるプロセスが用意されています。これにより、不自然な翻訳や誤訳をクリエイター側で修正し、品質を担保することが可能です。

世界中のコンテンツへのアクセスを拡大

この技術により、これまで言語の壁によって見ることができなかった海外の動画コンテンツに、手軽にアクセスできるようになります。教育的なコンテンツや専門的な解説動画など、多くの人々にとって有益な情報へのアクセス性を高めるという点で、非常に大きな価値を持っています。

技術的な限界と注意点

一方で、現在のAloudにはいくつかの技術的な課題も存在します。

翻訳の精度

機械翻訳であるため、専門用語やスラング、比喩表現、文化的な背景を含むジョークなどの翻訳は苦手な場合があります。文脈を完全には理解できず、元の動画のニュアンスが失われたり、誤訳が発生したりする可能性があります。そのため、自分の知らないジャンルに関してその内容を完全に鵜呑みにしてしまうのは危険です。ある程度、自分の知っている分野であれば間違いもわかるので視聴の際には注意が必要です。

音声の自然さ

音声合成技術は日々進化していますが、人間の声優が持つ感情の機微（喜び、悲しみ、皮肉など）や、話すスピードの緩急、抑揚などを完全に再現するのはまだ難しいのが現状です。そのため、生成された音声はやや単調で、機械的な印象を受けることがあります。そのためずっと聞いていると眠くなったりなどの副作用も。

話者（声）の再現

現在のバージョンでは、動画内で複数の人物が話していても、吹き替え音声は単一または限られた種類の声で生成されることが多く、元の話者の声質や特徴までは再現されません。元の動画が複数人の会話によったものだとしても、オートダビング版だと１人の話者が話しているように聞こえてしまいます。

オートダビング版動画の特徴

自動翻訳と吹き替え

クリエイターが動画をアップロードするだけで、AIが自動的に内容を翻訳し、自然な音声で吹き替え版を作成します。

多言語対応

英語、スペイン語、ポルトガル語、日本語など、多くの言語に対応しており、対応言語は順次拡大されています。

視聴者による言語選択

視聴者は、動画の再生画面にある設定（歯車アイコン）から「音声トラック」を選択し、聞きたい言語に切り替えることができます。

クリエイターの手間を削減

従来、海外向けにコンテンツを発信するには、専門家への翻訳依頼や声優の手配、編集作業など、多大なコストと時間が必要でした。オートダビング機能により、これらの手間を大幅に削減できます。

公式の出典元：

• YouTube ヘルプ – オートダビングを使用する:
• YouTube 公式ブログ

視聴者にはどう見える？

オートダビング機能が利用されている動画では、動画の説明欄に「オートダビング」と表示されることがあります。また、音声トラックの選択肢に、元の言語に加えて複数の言語が表示されます。

この技術はまだ発展途上であり、翻訳の精度や音声の自然さなど、改善の余地はありますが、言語の壁を越えてコンテンツを楽しむための画期的な機能として注目されています。

まとめ

YouTubeのオートダビング機能（Aloud）は、Googleという信頼できる企業が開発した公式の技術であり、その仕組み自体に疑わしい点はありません。言語の壁を越えるための非常に画期的なツールです。

しかし、その品質（翻訳精度や音声の自然さ）はまだ完璧ではなく、発展途上の技術であると理解しておくことが重要です。

視聴者としては、「これはAIによる自動生成の吹き替えである」ということを念頭に置き、もし不自然な点があれば、元の音声や字幕と比較しながら視聴すると、より深く内容を理解できるでしょう。クリエイターにとっては、手間を大幅に削減できる強力なツールですが、最終的な品質を担保するためには自身のチェックと修正が不可欠となります。